季節によりその姿を変化させる支笏湖。
その季節でしか見られない景色、触れることができない感動がここにあります。
春Spring
雪解けと芽吹き、新たな出会いの予感
芽吹きの春。林床にフキノトウやフクジュソウが顔を出し、山腹にはキタコブシの白い花がポツリポツリと咲いきはじめます。
にわかに瑞々しさを増した水辺には、エゾサンショウウオの卵。
小鳥たちにとっては恋の季節。さえずりに包まれた野鳥の森は、観察の適期です。
ウメが咲きサクラが咲く、という風情がある本州に比べると、支笏湖の春は少しせわしないかもしれない。
エゾヤマザクラが開花するころから、花と緑が競うかのよう、一斉に森を華やげます。
冬の間に蓄えた生命力を、一気に「爆発」させるかのような力強さが、支笏湖にはあります。
夏Summer
輝く湖面、吹き渡る風爽やか
オフシーズンは静けさに包まれる湖畔のキャンプ場が、ひとときの賑わいを見せる季節です。
夏の光に照らされた湖面は「支笏湖ブルー」とも言われ、深く澄み切った青色が大きな魅力で、日本各地からカヌーやボートを体験しに人々が訪れます。
夏から秋にかけて夕日が美しく、刻一刻と表情を変える空の色と湖への映り込みは、落陽の後も余韻に浸っていたくなるような魅力に満ちています。
秋Autumn
つかの間の休息を前に、木々燃える
ナナカマドにイタヤカエデ、ヤマモミジ。
9月の半ばを過ぎると、樽前山の頂上から下山してくるかのように、山々に少しずつ赤みが差してきます。
この時期、札幌近郊で屈指の紅葉の名所として知られる支笏湖には、多くの観光客が訪れます。
吐く息が白むころ、森に色とりどりの落ち葉のカーペットが敷き詰められたら、冬支度は完了。
来る長い冬を思いつつ、木々は静かに休息を始めます。
冬Winter
寒風鋭く、耐え忍ぶ木々に命を見る
冬の支笏湖はひっそりと静まり返り、木々の冬芽は、芽吹く日をじっと待っているように見えます。
そんな中でも、冬の支笏湖でしか見ることのできない景色があります。
厳冬期の不凍湖ならではの現象が「しぶき氷」。
桟橋ではつらら状に、地面には球状に形づくられた透き通った氷は、まさに自然の芸術です。
これを人の手でダイナミックに再現した「千歳・支笏湖氷濤まつり」は冬の一大イベントで全国各地から観光客が訪れています。
アイスウォークなど、その季節だけの体験が支笏湖にはあります。